料理と小説

リスマスの夜は何故かワインをパカパカ空ける、壮大な飲み会になってしまった。
朝帰りだったので、起きたのは15時。ラタトゥーユが食べたくなったので、夕飯に向けて作る事にした。
最近野菜不足だし、なにより何となくクリスマスっぽい。


作ると言っても炒めた野菜をトマトソースと一緒に圧力鍋にぶち込むだけ。
野菜はズッキーニ、セロリ、ニンジン、ナス、サツマイモをオリーブオイルとニンニクで炒める。
このサツマイモが個人的にはポイント。ジャガイモだとモッサリしすぎてしまうのだ。
サツマイモの甘みと、トマトソースの酸味がすごくいい感じにマッチする。
出来上がりを味見してみるとちょっと酸味が強い。トマトソースを入れすぎたみたいだ。


母親が作ったハンバーグと一緒にパスタと絡めて夕飯にした。
ラタトゥーユは簡単に作れて、しかも野菜がたっぷり採れるのでおすすめだ。
しかしこうして書いてみると、料理を文章で表現するのはなかなか難しい。


村上龍の「村上龍料理小説集」を思い出す。

村上龍料理小説集 講談社文庫

村上龍料理小説集 講談社文庫


村上龍が好きでも嫌いでも、お腹が減ることは間違いない。
多数の短編が収録されているのだが、どの話も料理がモチーフになっている。
過剰なまでの料理の描写を読んでいると、思わず生唾を飲み込んでしまうわけだ。
人間の食欲ってのは、言い換えれば生きる為の欲でもある。
だから「食」というものを小説のメインテーマに位置づけるという手法は、きわめて小説的な正攻法なのだろう。
村上龍はやっぱりコンセプト作りが上手い。それは編集者という優秀なブレインの力でもあるのだろうけれど。


ま、そんな話はさておき、短編なので気楽に読めて、しかも美味しいこの本。
僕も村上龍はあまり肌に合わないけれど、この本はなんだか読み返してしまうのだ。
やっぱり「食」の力は大きいのかな。あ、あと凄いバブリーな雰囲気も味わえます。時代が時代なんで。
ちなみに僕は29話に出てくるファジョワーダが食べたいです。