赤灯えれじい

うしても古い漫画に興味が行きがちな僕は、連載中で集めている漫画があまりない。
数少ないその中の一つが、きらたかしの「赤灯えれじい」だ。今日、最新刊の8巻を購入した。

赤灯えれじい(1) (ヤンマガKCスペシャル)

赤灯えれじい(1) (ヤンマガKCスペシャル)

ヤングマガジンで連載しているこの漫画、ジャンル的にはラブコメになるのかな。
へたれフリーターの男と、ヤンキーちっくな根性女が付き合っていく様子を大阪を舞台にのんびりと描いている漫画だ。
気の強い女と気の弱い男の恋愛ものってのは今までいくらでも書かれてきたテーマ。
この漫画もその一種ではあるのだけど、心情変化のリアルさはなかなか秀逸だ。


すでに一巻で二人の関係は成立してしまうので、あとは淡々と二人の付き合いが進むだけ。
決定的な事件が起こったり、協力な恋のライバルが出現するわけでもない。
仕事して、一緒にご飯食べて、デートして、セックスして、という何処にでもあるカップルの生活が淡々とすすんじゃう。
しかし、そんな平凡さの中にあっても何かが確実に変わっているな、と思わせる演出が用意されてる。
環境も、周りの人々も、そして主人公たちも、本当に少しずつだけど変わってる。
僕ら読者も日々の生活も確かにそんな感じ。大きな変化はなくとも少しずつ変わってる。
それを夫婦漫才のような二人の生活を通してやんわりと描き出しているから妙な共感が生まれるわけだ。


ごり押しの純愛よりも、どこにでもあるさりげなさが逆に純粋に感じられる漫画である。
そしてこれからも二人に仲良く居てほしい、という気持ちになれる不思議な漫画でもある。