12月8日

日は12月8日。意味深い日だ。
1941年、日本海軍が真珠湾攻撃を実施し、太平洋戦争が始まった日である。
1980年、ジョンレノンがニューヨークの自宅前で射殺された日である。

1941年のそれが戦前史の終わりなら、1980年のそれはまるで戦後史の終わりのように感じられる。
列強勢力の狭間で、もがきながら必死に生き抜こうとしていた戦前の日本が魚雷の炸裂音とともに終わった。
豊かさをひたすら夢見て驚異的な復興と成長で駆け抜けてきた戦後の日本がロックスターを撃つ銃声とともに終わった。
2006年の12月8日、どちらの「終わり」も僕らの遺産として生きていることは間違いない。


まあどっちのネタも散々語られてきたことなので、違う12月8日を。
1990年の12月8日、歌人土屋文明が死去した。(早口の代ゼミ講師じゃねーぞ)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4885822440/sr=1-79/qid=1165505133/ref=sr_1_79/249-5184665-6834735?ie=UTF8&s=books


斉藤茂吉の「アララギ」に参加するとともに、芥川龍之介と「新思潮」をやったりしている、日本文学界重要人物の一人。
アララギ」は正岡子規直系の同人誌。んで子規の短歌といったらやっぱり生活に密着した、写生的な短歌。
土屋文明もその流れを汲んでいて、現代人にも情景を思い浮かべやすい歌が多い。


西方にいり日を追ひて行かむとす野の上の道のはるかなるかな  「ふゆくさ」より


いいね。西日に向かう道のはるかなることよ。
この時期は太平洋戦記読むのも、ビートルズ聴くのも良いけど、土屋文明の歌集もおすすめですよ。