今日という日曜日

しく予定がなかった日曜日。
部活の先輩が青山で絵画の個展をやっているので、見に行ってきた。
ベントレーアストンマーチンが行き交う青山通りも、一歩路地を入ると急に閑静な住宅街が現れる。
先輩の個展をやっている会場はそんな住宅街の中にあって、落ち着いた素敵な雰囲気だった。


びっくりしたのは先輩の絵がどれも買い手がついていたこと。自分の作品を売ってお金を貰うってのは本当にすごい。
おいしい紅茶を飲みながら、しばらく歓談。絵を描く時の試行錯誤とか、絵の感想なんかを話しているうちに、僕もしっかり作品を作らなきゃと思った。
頭の片隅ではいつも思ってるけど、口ばっかりで全然行動できてない自分が恥ずかしい。
アトリエは次々に人が来て、先輩の人望の厚さを感じた。


アトリエを出ると、空は冬の青空。寒いけれども何だかそのまま帰る気にはなれない。
ホンダのショールームでバイクにまたがった後、半蔵門線神保町へ。


世界最大の古書店街、神田神保町は言ってみれば情報が無造作に置かれている場所。
ネットと違って、自分の目的とする情報へ真っすぐたどり着くことは難しい。
しかし、新たな情報との偶然の出会いを求めるのなら、やっぱり古本屋が一番だ。
だから僕は一ヶ月に一回はこの街に来るようにしている。


興味深い本は沢山あったけれど、いかんせん専門書は高い。
とりあえず書名を書き留めておいて、目的とする情報にしておく。
こうすれば本当に必要になったとき、あとでネットで検索ができるわけだ。
ネットも古本屋もうまく使うことが重要ってことかな。
ハードカバーが三冊で500円というお得なセールを見つけたので、河出書房の日本文学全集を三冊購入。
林芙美子佐藤春夫円地文子など、読もうと思っているのになかなか読めない有名作家。冬休みにじっくり読みたい。


ここで電話がかかってきて、表参道に。部活の人たちと岡本太郎記念館に行くことになった。
ようこそ岡本太郎記念館へ!


岡本太郎のアトリエを、そのまま保存したこの記念館。彼の有名作品はだいたい川崎にある岡本太郎美術館のほうにあるので、規模は小さい。
けれども太郎のアトリエは生前の状態で保存されていて、油の臭いが漂っている。
机に置かれたペインティングナイフから床のシミまで、死後十五年を経た今でも熱っぽく見える。
創作者はすでに灰となった。しかし彼の作品は未だ生きて強烈なメッセージをばらまく。
先ほどの先輩の個展を思い出して、モノを作ることの意味を考えてしまった。


新宿で夕食ついでにいつものゆるーい話をして、家に帰り着いたのは午後九時半。
振り返ってみると、のんびり過ごすはずの日曜が何故かギッシリな一日になっていた。
でも充実してたので楽しかったし、こういう日曜も悪くない。


つーか今日の長え!しかもチラシの裏的な自分話!
編集能力もつけなきゃならんがな。