追悼 鬼塚喜八郎氏
日本を代表する靴メーカーであるアシックス。その創業者である鬼塚喜八郎氏が先日死去した。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070930i502.htm?from=main5
戦後の復興期にバスケットシューズを担いで営業したその努力は計り知れないものだろう。
そんな彼の作ったアシックスは世界的に見ても技術的には最高峰にあるといえる。
このアシックスのシューズが現在世界のトップブランドであるナイキを作ったことはあまり知られていない。
ナイキの創業者であるフィル・ナイトはアシックスの前身であるオニツカのシューズを輸入する事業を始めた。
しかし彼らはアシックスと提携し、技術を手に入れたあと提携を一方的に解消。
特許でアシックスから慰謝料まで搾り取り、
その後のCMとコラボレーションの上手さでトップブランドに成長する。
しかしナイキの礎は鬼塚氏が築いたようなものといっても過言ではないだろう。
鬼塚氏のシューズ界における功績はそれだけではない。
不仲の兄弟がそれぞれ作ったアディダスとプーマ。
この二社をどうにか仲介したのが鬼塚氏なのである。
今のスニーカー業界、もといスポーツブランドは鬼塚氏なくしては
成り立たなかったと言っても過言ではないだろう。
このあたりのスポーツブランド戦争は以下の本に詳しい。
知識的にも企業戦略的にも目から鱗なのでおすすめである。
- 作者: バーバラ・スミット,宮本俊夫
- 出版社/メーカー: ランダムハウス講談社
- 発売日: 2006/05/25
- メディア: 単行本
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スポーツブランドイメージだったアシックスも創業者の名を冠したかつてのブランド名「オニツカタイガー」
を復活させてからはかなりファッショナブルなスニーカーラインが増えた。
ヨーロッパでは永遠の宿敵、ナイキよりも評判は良いようだ。
まさに日本を代表するシューズブランドに成長したといっていいだろう。
今冬のホリデーラインもかなり魅力的なので有名ブランドに飽きた人は是非チェックしてみてほしい。
何はともあれ戦後の混乱期をスポーツ文化とともに駆け抜け
素晴らしい功績を残した鬼塚喜八郎氏。
アシックスのスパイクを愛用するイチローもその訃報にショックを受けていたようで。
いちスニーカー好きとして心からのお礼と共にご冥福をお祈りいたします。