公のインターネット

ネットの世界も変わったなあ、と思わせるこのニュース。

画像掲示板「画像ちゃんねる」のサイト運営会社社長らが23日、猥褻画像公然陳列の共犯容疑で逮捕された事件の影響が、他のメジャーな画像掲示板にも広がっている。「VIPろだ」「画像掲示板がむしゃら」「カサマツさん」などが相次いで閉鎖した。
 24日頃からは、相次ぐ画像掲示板の閉鎖について2ちゃんねるでも多くのスレッドが立ち、大きな話題となっている。猥褻画像が発端となった今回の騒動だが、アダルト画像以外の目的で利用していたユーザーも多いようで、画像掲示板の閉鎖を惜しむ声も多く見受けられる。
「画像ちゃんねる」運営者の逮捕後、画像掲示板の閉鎖相次ぐより

これは表向きはアダルト画像撤廃、という名目なのかもしれないが、著作や権利問題にも絡んでいるはず。それは今勢いのある動画投稿サイトにも突きつけられる問題だ。
Youtubeという言葉を聞くようになったのが去年の初め頃か。僕が初めて見た動画はあの有名なドイツ人の少年発狂動画だった気がする。
一時期は著作問題で潰れるだのなんだの騒がれたものの、07年5月末現在特に問題もなく動いている。
さらには国産のニコニコ動画も急激に伸びてきて、有料化問題もあるにせよβ版の時と大して変わらずに動いている。
思えば僕が中学生の頃は、ネットはまだ無法地帯だった。
田代まさし」や「鈴木宗男」、「河原美代子」に「もすかう」といった、いかにも中学生の好きそうなバカネタと画像が山ほどあって、
全国の中二病患者どもはエロ画像探しとネタフラッシュ探しでどっぷりとインターネッツにはまっていったわけだ。
そうした中で今回の一連の画像掲示板潰しを見ていると、ネットの世界も変わったなあという感じはする。
少なくとも僕の世代にとってインターネットといったら基本的にアングラであり、エログロナンセンスなものであった。
ネットの世界はあまり親に話せるような内容のものではないし、気まずさみたいなのが常につきまとうものなのだ。
しかし「電車男」がドラマ化し、山手線でギャルがYoutubeの話をするようになり、Mixyが完全に市民権を得た今、インターネットは「公の場」になってしまったんだな、と思う。
2ちゃんねるでもかつての「殺伐さ」がすっかり影を潜め、あんなに忌み嫌われた「馴れ合い」の世界が成立している。
そうした「公の場」において、普遍性を持ちながらも猥褻画像が混在する画像掲示板に生きる道は残されていなかったのかもしれない。
当然のことながら一連の動画投稿サイトにしたって違法は違法なわけで、お上の気分次第では明日にでも潰されることは十分にある。
その判断基準は正直無いに等しいわけで、画像掲示板をアダルト画像以外の目的で使っていた多数の人々が納得できないのも無理はない。
この問題をどう取るかは人それぞれだが、インターネットの魅力の一つであった自由さが無くなりつつあるのは間違いない。