しかしテレビ見なくなったな

が家のテレビがそろそろ限界を迎えているようだ。スイッチを入れるとすぐに磁気を帯びてしまう。
使用しているのはソニーのモニター、プロフィール・プロである。
PROFEEL-PRO



映像系に詳しい人はピンと来ると思うけれども、プロフィール・プロは80年代後半、当時のソニーの最高技術を傾けて作られたブラウン管モニターだ。
放送局では未だに現役で使われているものもある。なんでこんなプロユースモニターが我が家にあるのかはよくわからないんだけど。
電気屋に行ってプラズマや液晶を見ても、この二十年近く前のモニターに勝る画質のテレビが見あたらない。
バブル期の国産電気製品ってのはこのモニターに限らず異常に高品質だ。我が家の洗濯機もFF式石油ストーブも未だに現役で動く。


僕が一番好きなのがこのキューブ型のデザインだ。ソニーがソニーであった時代の力を見せつけられる。
画面横のボタンを押すとオレンジのバックライトで各種スイッチが浮かびあがる。これ、細かいけど実にクール。黒の本体にオレンジのライトは上品でありながら未来的だ。
大型の取っ手は本体のデザインを乱さないように組み込まれていて、しかも実用的。
関係ないがコイツのデザイナーはそば屋になるために辞めてしまったらしいが本当かねえ?


プロフィール・プロを見て思うのは時代が進むと性能が良くなる時代はバブル期が最後だったな、ってこと。
例えばipodはちゃんとした録音のカセットテープに比べたら音質は劣るし、DVDもD-VHSに画質は劣る。
国産市販車も2002年に生産を終了したR34スカイラインGT-Rにサーキットで勝てる新車は現在ない。
つまりはハードの時代が終わり、ソフトの時代になったってことかな。
ハードそのものの性能よりも利便性、操作性、イメージ、デザインといったソフト面が重要。
そして企業もマーケティングやプレゼンテーションを製品の性能よりも重視するんじゃないだろうか。
少し寂しい気もするけどこれも時代の流れかね。


とりあえず今のところはスイッチを付けるたびに磁気を取れば見られるのでセーフ。
たださすがに20年近くなるといつ壊れてもわからないわけだ。
キヤノン東芝が提唱するブラウン管を超す画質と言われるSEDもなかなか出てこない。
そして何よりぶっ壊れてもそのまま買い替えなさそうな我が家族のテレビ離れが少し恐い。


新年からやたらマニアックになってしまった。