ハウスという音楽

「乙女ハウス」なんて違和感ありまくりの言葉、一体誰が考えたんだか。


HMVタワレコのクラブミュージックコーナー。ハウスの所をちょっと覗くと「乙女ハウス」なる言葉がちょろちょろと。
要するに「キャッチーで甘い女性ボーカルの入ったオシャレなディープハウス」のことらしい。
「エロ可愛くなりたくて、夜遊びにも興味あって、でもトランス系のイベントは頭悪そーなギャルばっかでちょっと・・・」
って感じの女子大学生をハウスミュージックに呼び込むには確かに悪くない戦略かもしれない。


ハウスバンド、「ディー・ライト」のメンバーとして世界的に活躍後、プロデューサーやDJとして活躍するテイトウワ。
そんな彼も「乙女ハウス」なる言葉を全面に押し出して新しいコンピレーションを出している。

MOTIVATION FIVE compiled by DJ TOWA TEI

MOTIVATION FIVE compiled by DJ TOWA TEI

もうジャケットからし米原康正の撮ったエロ可愛いオネーさん五名が艶やかな視線を送っていて買うのが恥ずかしい。
しかし内容はというと、ジャケットに反してかなりまとも。
派手めでキラキラした感じの女性ボーカル曲中心でコンピレーションされているが、さすがテイトウワ、女性受けを狙いながらもそんなにチャラくない。
ハウスって何?という人はこれから4つ打ちダンスミュージックに入門するのもいいと思う。


でもやっぱりコレのリスナーにとって音楽ってのは歌がなきゃダメなのかなーとも思うけれど。


しかしハウスが昔、完全に黒人のものだった頃の曲はやっぱりいい。
エロ可愛い女の子なんかじゃあ全然勃たない、ゲイの黒人が絡んでいるような泥臭いハウスを求める人々にはこのコンピ。

The Kings of House

The Kings of House

ハウス界の重鎮、Masters at Workの二人がハウスの伝説的名曲をミックス。
ハウスというクラブカルチャーの教科書的な出来だ。
古い曲ばかりなので現代のハウスを求める人には全く勧められないが、ハウスの神髄はこういった曲にある。


ということでハウスの中でも対極にある二つのコンピ。
双方に魅力があるというところかな。